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1/17/2015

シャトー・マルゴー CH.MARGAUX




格付け:一級

所有者:メンツェロプロス家
住所:Chateau Margaux,33460 Margaux,France
郵便:BP31,33460 Margaux,France
TEL:33 05 57 88 83 83
FAX:33 05 57 88 31 32
窓口:Tina Bizard(TEL:33 05 57 88 83 93)
見学:要予約 月~金AM10:00~12:00、PM14:00~16:00

面積:78ha(栽培面積)
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニョン75%、メルロ20%、カベルネ・フランとプティ・ヴェルド5%
平均樹齢:35年
植樹面積:10.000本/ha

醸造及び育成
発酵とマセレーションは、温度制御した木製発酵槽で3週間。熟成はオークの新樽で18~24カ月。清澄はするが濾過はしない。

年間生産量
シャトー・マルゴー:200.000本
パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー:200.000本

近年の偉大なヴィンテージ
2010年、2009年、2005年、2003年、2000年、1996年、1995年、1990年、1986年、1985年、1983年、1982年



南メドックのすばらしい貴族、シャトー・マルゴーに向かう道は華麗な光景である。初めて訪れる人は、シャトー・パルメのすぐ北にある、小さな庭園にさりげなく囲まれたこの高貴な館が目に入ると、驚きと喜びを感じるに違いない。

このシャトーの歴史は、「ラ・モンテ・ド・マルゴー」として知られていた12世紀にまでさかのぼることができる。そのワインの歴史は、それよりもいくぶんかあとに始まる。1522年から1582年の間に、ピエール・ド・レストナックは、計画的に土地の交換を始めて、ブドウ畑もあったが、当初は主に穀物をつくるために利用した。1705年には、ロンドン・ガゼット紙が、シャトー・マルグーセの初の広告を掲載した。クリスティーズのカタログに初めて登場したのは1771年のヴィンテージである。

英国の首相、ロバート・ウォルポール卿は、3カ月毎に4樽(約100ケース)を購入していた。シャトーの文書庫の記録によれば、「必ず支払いがあったわけではなかった」という。駐仏米国大使であったトーマス・ジェファーソンもまたシャトー・マルゴーの愛好家であり、彼らふたりは1784年を飲んで購入している。このワインについてのジェファーソンの言葉によれば、「これ以上良好なボルドー・ワインはあり得ない」。

20世紀に入ると、シャトー・マルゴーは、強制的なシャトーでの瓶詰めを1924年のヴィンテージから始めた。だが、その後は苦しい時代が続く。1930年代は悲惨な10年間であり、その後の戦争もあり、結果としてシャトーは売りに出され、1950年にジネステ家によって買収された。ワインの品質は記念碑的な1953年を除けはまちまちであった。ピエールとベルナール。ジネステの不十分な財政管理(国際的な石油危機や1973年と1974年のワイン市場の暴落がその原因である)のもとで1960年代と1970年代の悲惨な時期に生産されたワインは、豊かさや凝縮感、個性に欠けるものがあまりにも多すぎた。その後、1977年にマルゴーはアンドレとラウラ・メンツェロプロス夫妻に売却され、直ちに畑や醸造設備に惜しみなく大金が投入された。エミール・ペイノーがワイン醸造を監督するコンサルタントとして迎えられた。聡明な観察者たちは、こうした経済的、精神的な肩入れがワインの秀逸性に反映されるようになるのは、いくつかのヴィンテージが過ぎてからだろうと予測したが、マルゴーの底なしの偉大さを世界に見せつけるには、1978年のヴィンテージひとつで十分だった。

残念なことにアンドレ・メンツェロプスは、苦闘していた一級シャトーのワインがすばらしい上品さと豊かさ、複雑さを備えた、輝かしいまでに一貫性のあるワインに完全に変貌するのを見届ける前にこの世を去った。エレガントなラウラ夫人、そして最近では世事に通じたやり手の娘、コリンヌがここを取り仕切っている。このふたりは少なからぬ才能の持ち主たちに取り巻かれているが、なかでもポール・ポンタリエの存在は光っている。1978年のマルゴーはすぐに評判を勝ち取り、その後も輝かしいつくりのワインを次々と世に送り出した。そのすばらしい豊かさとバランスは、1980年代にボルドー全体でつくられたどのワインよりもマルゴーが良好だと言っても過言ではなかった。

よみがえったマルゴーの特徴は、豪華な豊かさ、熟したブラックカラント、スパイシーなヴァニラのオークっぽさ、スミレなどの深みのある多面的なブーケを持つスタイルである。今ではその色や豊かさ、ボディ、タンニンのどれをとっても、1977年以前にジネステの支配下でつくられていたワインに比べて見違えるほどに充実している。

- ロバート・M・パーカーjr著 「ロバート・パーカーが選ぶ 最新版 世界の極上ワイン」160P、161Pより抜粋




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